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今月のおやつとうつわVol.2よしの舎「あんみつ」あんず舎「モール小鉢」

よしの舎「あんみつ」
あんず舎「モール小鉢」

家で過ごす時間がぐっと増えたこのご時世。いつも同じ場所リモートワークやリモート授業……飽き飽きしてしまった人も多いはず。この連載では、奈良で手に入る「おやつと器」をご紹介します。素敵な器においしいおやつをのせて、おうち時間をちょっぴり楽しくしてみませんか。


さて、今回は一回目とうって変わって夏にぴったりの冷たい和菓子。あんみつ、豆かん、かき氷といった和風スイーツが絶品の「よしの舎」のお持ち帰り用「あんみつ」をご紹介。

このあんみつは、とにかく餡がおいしい。北海道産の小豆を使用したこし餡はしっとりとなめらかで甘すぎず、口の中でふわっと溶ける。豆の状態は季節によって変わるため、そのつど微妙に炊き具合を調節する。機械ではなく、自らの目で見て、手で触って丁寧に作ることがおいしさの秘訣なのだそう。

あんみつ(お持ち帰り用・550円) 予約がベター
こだわりの黒蜜をたっぷりかけていただく

白玉は注文直後にその場で茹でるため、できたてのおいしさが味わえる。つるんとのど越しの良い寒天は、静岡県伊豆市の漁師さんから仕入れた天草で手作りしたもの。豆かんにも合うよう少し固めなのが特徴。この固さがなめらかなこし餡にぴったりなのだ。小さな入れ物にたっぷり入った黒蜜は、店主自ら食べ比べて厳選した沖縄県波照間島の黒糖を使用。コクがあるのにフルーツや餡の甘さを邪魔しないので好きなだけかけて食べよう。具材それぞれに個性があるが、お互いが引き立てあい絶妙なバランスが成り立っている。


高畑にある「あんず舎」の「モール小鉢」(2,750円)はそんな魅力的なおやつにぴったり。ガラス作家・山下達巳さんの作品で、開店当初からの長い付き合いなのだそう。吹きガラスの小鉢には小さな気泡がキラッと光り、ぬくもりのある風合い。ぽってりと厚みのある器だが想像以上に軽く丈夫で、洗い物の際も扱いやすい。絶妙なサイズ感とかすかな凹凸は手に吸い付くような質感を作り出し、まるで陶器とガラスのいいとこ取りだ。

ガラス越しにみる半透明の寒天や、ゆっくりと器の底に流れていく黒蜜は、特有の凹凸と気泡のせいか、水の中にあるようでなんとも涼しげ。器を冷蔵庫で少し冷やしてから盛り付けるのもおすすめだ。そんな清涼感たっぷりの器を片手に冷たいあんみつをほお張れば、暑い夏も乗り切れそうだ。

(記事・岡田菜友子)

よしの舎(よしのや)
住所:奈良県奈良市東城戸町14-1
電話:090-9545-0943
営業時間:10:00~16:30(LO)
席数:9席
定休日:月・火
駐車場:無 
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あんず舎(あんずや)
住所:奈良県奈良市高畑町1237-7
電話:0742-23-1706
営業時間:11:00~18:00
定休日:火・水
駐車場:1台
https://anzuya.net/

最終更新日:2021/07/28

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