奈良、旅もくらしも

Restaurant FAON

猿沢池近くの特等席でいただくフレンチ
夢を叶えた若手シェフに乾杯

近鉄奈良駅から賑やかな商店街を抜け、猿沢池方面へ。興福寺五十二段を過ぎた静かな場所に、「FAON」(フランス語で「子鹿」の意味)は佇む。2020年2月3日にオープンして以来、「猿沢池近くにおいしいフレンチができた」という噂が絶えない。ゆったりと席を設けられた店内は落ち着きがあり、入ってすぐ右奥の席は五重塔が望める特等席だ。

「料理人になりたい」──足立遼司シェフは小学生の頃からの夢を一途に追い続けてきた。専門学校やフランスで料理を学び、帰国後、地元奈良の人気フレンチ『ラ・カシェット』との出会いが夢への大きな第一歩となる。丁寧で繊細な料理に感動を覚え、「ここで働きたい」と修行を積むこと4年半。今でも料理の師匠として相談にのってもらうことがあるという。その後も料理人として腕を磨き続け、ようやく地元奈良で自然を感じられるこの場所とめぐり会う。

料理は、見た目はもちろん、食べた瞬間、口から全身に幸せな気持ちが広がり五感を刺激する。「一口目の驚きを大切にしています」という言葉にも納得。

できる限り地元の食材を取り入れ、月ごとの内容で季節を味わえるコース料理。
この日の一口前菜は、カリフラワーのムースとベーコンのマドレーヌ、前菜は天使のエビとパプリカのグラス(アイス)……食材の味を丁寧に生かし、次の料理への期待感を膨らませていく。本日のメインは「滋賀県信楽産の鹿肉赤ワインソース」。猟師の叔父さんから「いい鹿が入ったよ」と連絡を受けて仕入れた鹿肉は、臭みがなく、口いっぱいに甘みが広がる一皿。

ランチはミニコース1,980円、Aコース3,000円、Bコース4,000円、ディナーはAコース4,200円、Bコース5,000円。「常に驚きを感じてもらえるように、食を通じて自分を表現していきたい」と語る足立シェフの料理に、ぜひ予約を。

(記事・徳永祐巳子)

Restaurant FAON(ファン)
住所:奈良県奈良市高畑町1122-12
電話番号:0742-25-3009
営業時間:11:30〜14:00LO(15:30CLOSE)、18:00〜20:30LO(22:00CLOSE)
席数:テーブル24席
定休日:水曜、不定休あり
駐車場:無
Instagram:https://www.instagram.com/faon.nara/?hl=ja

最終更新日:2021/02/02

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