奈良、旅もくらしも

薬膳カフェ 花美津姫

霊山寺のお参りとともに 薬膳パワーで「食べて美しく」

奈良市富雄の「霊山寺」の入り口、薬草パワーで心と身体をほっと癒やしてくれるカフェが2020年6月にオープン。店名は「花美津姫」。花のように美しく咲き誇り、水のようにたおやかに生きてゆく女性たちが、たくさん集まるようにと名付けられた。

なぜ薬膳なのか。霊山寺は、遣隋使で有名な小野妹子の息子・小野富人(鼻高仙人)が薬草を栽培し、薬師如来を祀り、薬草風呂を施湯し人々を癒やした場所。阿倍内親王(のちの孝謙天皇)や聖武天皇も入湯されたと伝えられている。また平安時代には弘法大師が弁天様を祀ったパワー宿る場所。その入り口に構えるお店として、食を通して健康と開運を願う。

料理の監修は、霊山寺の宿坊の料理長を務める川向和美さん。ベースは日本料理。旬の食材に、漢方、発酵食品、奈良の生薬・大和当帰(トウキ)などを組み合わせ、日本人にも食べやすい薬膳を目指している。

先付、前菜、強肴、油物、薬膳粥、水菓子がコースで楽しめる「薬膳粥御膳」は2,700円。
いずれの料理も素材の味を大切にしており、例えば強肴の「ふろふき大根」は、優しい味わいの鶏スープがしっかりしみ、大和当帰を練り込んだ味噌でいただく。鼻に抜ける大和当帰の香りが印象的。締めのお粥は、霊山寺の官長夫人が縫われた巾着袋に包まれ、最後まで温かい状態でいただける。

ランチは3種類。一番人気は、薬膳スープ、薬膳天ぷら、黒米と小鉢のランチ。ほか低糖質ダイエットメニューとして、あんかけきのこそばがメインのランチもあり、いずれも1,500円に、2種から選べる霊山寺健康茶が付く。

カフェメニューには、薬効がある実や花が18種類入る中国薬膳茶「女神茶」(600円)や、手作り季節の5色白玉(400円)は、奈良のほうじ茶、緑茶などを練り込んだ白玉でお花をイメージし、地元の和菓子屋から仕入れたあんこを添える。女性に食事を楽しんでもらえるようにと、盛り付けや器などにも細やかな工夫が感じられる。

格子天井にシャンデリア。お庭を眺めながらゆったりと食事を楽しめる広々とした空間なので、友人、母娘、夫婦でのランチはもちろん、人が集える状況になれば、女性同士の会食やプチ同窓会にも。四季の移ろいを楽しみに、霊山寺へのお参りとともに、足を運んでほしい。

※価格表記は税抜

(記事・徳永祐巳子)

薬膳カフェ 花美津姫(はなみずき)
住所:奈良県奈良市中町3879
電話番号:0742-48-3077
営業時間:11:00~16:00 (料理14:00LO、ドリンク15:30LO)
席数:35席
定休日:無休
駐車場:有
ホームページ:https://yakuzencafe-hanamizuki.owst.jp

最終更新日:2021/02/02

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