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優美な蓮を朝のお寺で―「奈良・西ノ京ロータスロード~蓮と歴史を楽しむ旅~」開催中です!

泥水の中から茎を伸ばして美しい花を咲かせることから、古来より仏教のシンボルとして親しまれてきた蓮の花。見ごろを迎える花を楽しんでもらおうと、奈良市内の4ヶ寺で「奈良・西ノ京ロータスロード~蓮と歴史を楽しむ旅~」が2021年8月15日(日)まで開催中です。

開催地の西大寺、喜光寺、唐招提寺、薬師寺はいずれも蓮の花で有名なお寺。境内には無数の蓮の鉢が置かれ、初夏から夏にかけて様々な蓮の花が咲き誇ります。この4ヶ寺を繋ぐ道は「ロータスロード」と呼ばれ、毎年見ごろに合わせて花とお寺巡りを楽しめる共通拝観券が発売されます。新型コロナウイルス感染症による影響で、2020年の開催は中止に。本来第9回目となる予定だった今年は2年ぶり・第8回目の開催となります。

取材させていただいた7月1日は雨模様。大きな雨粒が花を濡らし、葉の上に溜まる水滴も艶やか。泥の中から細い茎をすっくと伸ばして咲く花は、雨でますます存在感を増していて、すっかり見とれてしまいました。

当日お話をしてくださった唐招提寺の石田太一執事長によると、蓮の花は咲いてから散るまでがおよそ4日間なのだそうです。花が姿を現す第1日目は、まだまだつぼみの形に近い状態。3日かけて花びらが外に開ききり、4日目には落ちてしまいます。早朝に花が開き午後には閉じるという儚さやその4日間のストーリーを思うと、鉢の前から動けそうにありません。花との出会いも一期一会だなぁと感じました。歴史ある伽藍と蓮の組み合わせも見どころ。その日、その場所でしか出会えない風景に心打たれます。

4ケ寺それぞれに趣がありますが、特に印象的だったのが唐招提寺の双頭蓮。突然変異で1本の茎から2つの蓮が咲くという珍しいものです。突然変異ゆえに、咲くかどうかはその時の運次第。4ケ寺ともに毎年期待を寄せているそうです。

唐招提寺の双頭蓮。7月6日には2つのつぼみのうち1つが開花し、7日にはもう一つも開花しました。

ロータスロードの期間中は各寺で特別御朱印が授与されているのでお見逃しなく。4ヶ寺共通拝観券の提示で各寺にて受けられます(別途納経料)。普段とは異なる黄色の台紙は、仏教において智慧を表す「五色」の1つであり、その中でも珍重されている色。「ロータスロード」の印も特別感がありますよ。

今年から、ロータスロードの共通拝観券は、新たに子ども料金(小学生900円)が設けられ、より幅広い世代が楽しめるように。

なお、ロータスロード関連の様々なワークショップなどの企画がありましたが、残念ながらコロナ禍で中止になりました。しかし、平城宮跡歴史公園内にある、平城宮いざない館で8月6日(金)まで、ロータスロード「フォトコンテスト受賞作品展」を開催しています。家を出るのが遅くなって花が閉じていたという方も、蓮の写真を撮る勉強をしたいという方も、ぜひご覧ください。

仏教では清浄な花とされ、「清らかな心」などの花言葉を持つ蓮の花。 優美な花を愛で、清々しい夏のひとときを過ごしてみませんか。

●「奈良・西ノ京ロータスロード~蓮と歴史を楽しむ旅~」
期間:2021年6月11日(金)~8月15日(日)
共通拝観券:2,700円(小学生900円、小学生未満無料)
主催:公益社団法人 奈良市観光協会
詳細:https://narashikanko.or.jp/topics/lotusroad/

●西大寺 http://saidaiji.or.jp/
場所:奈良県奈良市西大寺芝町1丁目1-5
拝観時間:8:30~16:30

●喜光寺 http://www.kikouji.com/
 場所:奈良県奈良市菅原町508
 拝観時間:9:00~16:30、7月中の土日祝7:00~16:30

●唐招提寺 https://toshodaiji.jp/
 場所:奈良県奈良市五条町13-46
 拝観時間:8:30~17:00

●薬師寺 https://yakushiji.or.jp/
 場所:奈良県奈良市西ノ京町457
 拝観時間:8:30~17:00

●平城宮跡歴史公園 平城宮いざない館
 場所:奈良県奈良市二条大路南3-5-1
 開館時間:10:00~18:30

最終更新日:2021/07/19

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