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7月23日は當麻寺蓮華会式です/蓮華会式のお供えもの

「蓮華会式」のお供えは旬の夏野菜で作ります。

當麻寺は創建1400年以上になる葛城市の寺院です。奈良時代の女性、中将姫が感得して織り上げた當麻曼荼羅でも知られています。

中将姫について詳しくは、奈良県庁発行「祈りの回廊2021年春夏号」をご覧ください。

中将姫が曼荼羅を織り上げたのが旧6月22日の夜から翌23日の朝。この由来により、現在も7月23日の朝に曼荼羅の完成を祝う法要「蓮華会式」が営まれています。法要のお供え物は100個以上も積み上げられたナス、巨大なキュウリ、ミョウガ、ささげ、昆布などを使って作られます。

竹串に挿したミョウガや周りのささげなどが特徴的ですね。このミョウガは迦陵頻伽(極楽浄土の鳥)をかたどっているそうです。確かに飛んでいるように見える!

法要は7月23日ですが、お供えする供物は前日の7月22日に作ります。今年は當麻寺中之坊で制作されました。その様子を写真でお伝えします。

「蓮華会式」のお供えは當麻寺の塔頭の中でも、中之坊と西南院が2年交代で制作とのこと。2つの塔頭とも、材料は同じ、旬の野菜を使っています。

ナスを丸々挿す側は、このように竹串に挿しています。ナスが増えていくにつれてどんどん重量が増していきます。とれたて新鮮な夏野菜、つやっつやしてますね!

手際がいい人がいると完成も早いそうです。今年は早めに完成したとのこと。

輪切りのほうもどんどん出来がってきました。ミョウガは後から挿すのではなく、筒状の中に挿してから、その周りに周りにナスを配置して行くんですね。

迦陵頻伽のミョウガだけではなく、ささげ、昆布も刺さっています。雲をかたどったものなのか?

このように切ったなすを重ねたり、挿したり。近くでみると本当に巨大なんです!

綺麗に出来上がりましたね!!当日の朝、大きな器に炊いたお米をお供えして完成です。

この供物は23日朝の法要(午前8時半頃)の後のみ曼荼羅堂で拝観可能です。23日朝の蓮華会式は拝観時間前の法要のため一般参列は不可ですが本堂から漏れ聞こえる声明を耳にすることができます。

またこの蓮華会式では「蓮華会式法則」という独自の作法が行われていました。この作法が長らく途絶えていたのを、當麻寺中之坊で平成15年に復興されています。23日の14時からは中之坊のお写経道場で、声明を聞きながら写経・写仏の体験をすることができます。この時、中将姫の事績を唄った「中将姫和讃」も唱えられます。

中之坊写経道場。曼荼羅堂と同じくなす、キュウリの供物とスイカがあります。

写経道場には7月上旬に作られた蓮の造り花も飾られています。こちらの造り花も3年前からお寺で作られます。今年は黄色が加わりました。

声明や和讃の響く中、筆を運ぶことが出来る貴重な日です。例年行われていますので、今年が難しくても、来年以降もぜひお参りください!

最終更新日:2021/07/22

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