奈良、旅もくらしも

今月のおやつとうつわVol.3 KOYOMI 日々のお菓子「キャロットケーキ」、カウリ「しのぎ 平皿 小 緑」

KOYOMI 日々のお菓子「キャロットケーキ」
カウリ「しのぎ 平皿 小 緑」

家で過ごす時間がぐっと増えたこのご時世。いつも同じ場所リモートワークやリモート授業……飽き飽きしてしまった人も多いはず。この連載では、奈良で手に入るおやつと器をご紹介します。素敵な器においしいおやつをのせて、おうち時間をちょっぴり楽しくしてみませんか。


さて、今月の洋菓子は築450年の民家を改装して生まれたカフェ「KOYOMI 日々のお菓子」の「キャロットケーキ」。夏の午後に、冷たいアイスコーヒーと一緒に食べたいスイーツ。

クリームチーズが乗ったずっしりと大きなキャロットケーキは、そのボリューミーな見た目に反してパクパク食べられる。秘密はスッと鼻に抜けるスパイス。シナモンなど数種類のスパイスの香りが食欲をそそる。バターの代わりに太白胡麻油を使用することで、胃もたれしないあっさりしたケーキに仕上がるそう。そして、たっぷりの人参。直径18㎝のホールケーキに大きな人参を惜しみなく練りこむ。小麦粉よりも人参のほうが多いというから驚き。これほど沢山入っているのに水っぽくならないのは、人参のすりおろしではなくみじん切りと千切りを使っているから。人参から出る水分をうまく調整するのが最大のポイント。

また、独特の食感もこのケーキの魅力だ。ある程度人参の歯ごたえを残しておき、ナッツやドライイチジクを加えることで、シャクシャク、プチプチと楽しい食感が味わえる。「KOYOMI」の焼き菓子は「コーヒーに合うお菓子」を意識して作られている。キャロットケーキには深煎りのコクのあるアイスコーヒーがおすすめ。カフェラテなら濃いめの牛乳を入れるとおいしい。

キャロットケーキ(550円)
冷たいカフェラテにぴったり

今回このケーキのためにセレクトしたのは、ならまちにある「カウリ」で販売されている、陶芸家・竹之内 琢さん(宋艸窯)の作品「しのぎ 平皿 小 緑」。実は、もともと別の器を合わせるつもりだったが、購入時このお皿に一目ぼれしてしまったのだ。艶のある深い緑色は「織部」と呼ばれ、ごつごつとした和風の壺や食器によく用いられているそう。本来の織部に使われる釉薬に少し手を加えてモダンな色合いを生み出している。吸い込まれそうな緑色にケーキの白をのせると、しっとりとした気品とぬくもりを感じる。また、絶妙なバランスで施されたしのぎやフラットな形状が現代風で、ケーキに限らず和菓子やちょっとしたおかずを載せても映える。色形が美しいだけでなく、直径17㎝と日々の食卓でも使いやすいサイズなのがうれしい。

しのぎ 平皿 小 緑(3,850円)
他にない独特の色合いが美しい

緑のほかに、赤みがかったピンク色や藍色などカラーバリエーションも豊富だ。色違いを集めて、お客さんが来た際の取り皿にしても楽しそう。「KOYOMI」の目と鼻の先にある「カウリ」。ならまち散策の際に、ぜひ立ち寄ってみて。

(記事・岡田菜友子)

KOYOMI 日々のお菓子
住所:奈良県奈良市陰陽町5
営業時間:11:30~16:30(LO16:00)
席数:5席(2名様まで)
定休日:月・木・土・日
駐車場:無 
https://www.instagram.com/koyomi_naramachi


カウリ
住所:奈良県奈良市鳴川町1
電話:0742-93-9208
営業時間:11:00~18:00
定休日:不定休(ホームページをご確認ください)
駐車場:無
https://kauri-online.com/

最終更新日:2021/08/17

TOPへ