奈良、旅もくらしも

「みんなでつくる!王寺をめぐるーと」イベントレポートvol.3

文化財再発見ワークショップ「みんなでつくる!王寺をめぐるーと」
イベントレポートvol.3「みんなで案を出してルートを確定しよう」

奈良県北西部の町、王寺町。近年はベットタウンとして発展し、「街の住みここち『自治体』ランキング2020(大東建託株式会社)」で栄えある全国1位に輝くなど、注目が集まっています。歴史深く、魅力的な文化財も多い王寺町の魅力を知ってもらうべく、「探して、歩いて、自慢する!」をコンセプトに全5回のワークショップが開催されることに。「奈良、旅もくらしも」では、ワークショップの模様をじっくりご紹介します!


■いよいよ「めぐるーと」確定へ!まずは前回のアンケート結果と今後の方針を共有

2021年11月13日に開催された3回目は「みんなで案を出してルートを確定しよう!」がテーマ。いよいよ、ワークショップも大詰めです。コロナ禍も徐々に収束の兆しが見えてきたことから、来年3月の「王寺をめぐるーと ワンデイウォーク」の開催決定も告知されました。みんなで決めた「めぐるーと」をパンフレットに落とし込み、実際に歩くという試みは、当初の予定どおり開催の見込みとなりました。

今回のワークショップも、王寺町地域交流課の岡島永昌(えいしょう)さんが解説を担当します。背景には「会いたいし、伝えたいし、聖徳太子。」のコピーが話題となった奈良県の観光プロモーションポスターが。岡島さんも聖徳太子の愛犬・雪丸のネクタイ姿でビシッと(!?)決めています。

まずは前回までのおさらいと、ワークショップ後に行われたアンケート結果の共有から。これまで、王寺の地理・歴史・文化財の紹介にはじまり、「めぐるーと」に盛り込みたい王寺町の文化財スポットを検討してきたなかで、さまざまな意見が出され、王寺町の魅力を再発見してきました。「今回は、めぐるーとのマップ・パンフレット作成をしっかり意識して進めていこうと思います」と岡島さんは語ります。

アンケートでは、「パンフレットにしっかり記述しておいてほしいことは?」という設問に対して「距離や所要時間」を挙げた人が7割近くにのぼったことが紹介されました。「パンフレットの中に二次元コードがあった場合、情報を取得したいですか?」という設問は、9割の人が「取得したい」と回答。「検索してもなかなか正確な情報がでてこない」という意見もあることから、パンフレットはコンパクトに情報をまとめ、詳細を二次元コードから調べられる仕組みをつくることになりそうです。

自由回答欄にもさまざまな意見が寄せられました。岡島さんはこれらを3つに分類。「スポットを中心に構成する」「モデルコースを設定し、より利用しやすく」「グルメ案内は二次元コードを活用する」方針が決められました。

アンケートの結果をふまえ、パンフレットのラフイメージが出来上がりました。マップには駅や紹介スポットの位置情報を表示するほか、徒歩での所要時間のめやすを「ウォーキングスケール」で表現する、坂道を表すために標高のめやすを色分けするなどのアイデアがでました。続くスポット紹介のページでは、エリアやテーマごとに色分けする、交通情報を盛り込む、コラム欄を設けてエリアを象徴するストーリーを紹介する、文字のみでおすすめモデルコースを例示する、二次元コードを使ってよりマニアックな情報も紹介するなどの案が出されました。少しずつ、形になっていることが実感できますね!

ここで前回に引き続き、投票システムが登場。「パンフレットの構成について、どう思いますか?」との設問に、ほとんどの人が「これまでの成果が反映されていて良い!」と投票する結果となりました。方向性が決まったところで、ブラッシュアップを進めていきます。

■テーマごとに巡るなら?実際にめぐりたいのはどんなコース?名物学芸員が提案

ここからは、「王寺町をテーマごとにめぐるなら?」という課題をみんなで検討していきます。

王寺町では、全国に先駆けて『王寺町文化財保存活用地域計画』を作成し、地域社会をあげての文化財保存に取り組んでいます。「文化財を1つだけ取り上げるのではなく、グループに分類して保存活動を行っていこうという考え方です。特定のテーマやストーリーのもとで保存・活用を進めたいと思っています」と岡島さん。王寺町の歴史文化を表す特徴として「聖徳太子」「大和川」「鉄道」「伝統的な生活習慣」「明神山」の5つが挙げられました。

この特徴をもとに、岡島さんは「聖徳太子を慕う道」「大和と難波をつなぐ中継地」「鉄道のまち王寺」「受け継がれるご先祖様の祈り」「明神山からの歴史展望」の5つのテーマを紹介。テーマに沿ったストーリーと、めぐるべきスポットについて詳しい解説が行われました。解説が終わった後は、再び投票タイム。「王寺町の歴史文化テーマごとに周遊してみたいと思いますか?」という設問に対し、「歩ける範囲にスポットが点在するテーマなら周遊したい」という回答が多く寄せられました。また、「5つのテーマのうちのどれが興味深いと感じましたか?」という設問は、票が分かれる結果に。「明神山の歴史眺望」「鉄道のまち王寺」「聖徳太子を慕う道」が上位となりました。

続いて、前回のアンケートに設けられた「行ってみたいと思うところを選んでください」という項目を、エリア別に集計した結果を発表。第2回ワークショップで詳しい解説が加えられたうえでの回答です。

  • 北王寺(大和川~葛下川北側)
    カルケット(第1井路開渠)/久度神社/松浦家住宅/舟戸神社(西安寺跡)/大和鉄道築堤地下道/D51形895号機
  • 南王寺(葛下川南側)
    達磨寺/谷家住宅/品善寺/放光寺/お大師さんの井戸/孝霊天皇陵/親殿神社/カボチャクイ地蔵/井戸がえ
  • 畠田
    明神山/火幡神社絵馬殿/畠田古墳/永福寺/片岡城跡
  • 藤井・亀の瀬
    旧大阪鉄道亀瀬隧道/亀の瀬地すべり資料室/亀の瀬問屋場跡/藤井の町並み

南王寺エリアは同率になったスポットがあったため、挙げられたスポットは多めです。エリアを語るうえで欠かせない歴史スポットのほか、地域で大切にされているお地蔵様や伝統的な習慣にも注目が集まる結果となりました。

参加者からの人気が高かったスポットに岡島さんのおすすめスポットを加えると、なんと合計34スポットに!「約22km、7~8時間必要なコースになってしまいます(笑)」と岡島さん。これらのスポットを基準にした5つのコースが提案されました。

まずは「22km全部歩く欲ばりコース」。その名のとおり、約22kmにおよぶ34スポット全てを巡るコースです。トイレ休憩の場所やお弁当を食べる場所の様子などもまじえ、詳しく解説されました。続いて「藤井・亀の瀬を除いた準欲張りコース」。約19km、23スポットを巡るコースで所要時間は約6時間。他のエリアから少し離れた藤井・亀の瀬エリアを除いたコースですが、こちらもなかなか盛りだくさん。「これなら私も歩いてもいいかなと思いますが、なかなか体力がいるコースですね」と岡島さんから補足が。3つめの「明神山も除いた王寺町ほぼ1周コース」は、坂道をのぼらず王寺をぐるりと一周するやや優しいコース。所要時間も約4時間と短めですが、21スポットをしっかり巡れます。「バスで登って下り坂を歩こうコース」は、バスで最初の目的地付近に向かい、下り坂に沿ってゆるゆるとスポットを巡っていくもの。最後に紹介された「ちょっと横着な片道コース」は、2~3時間で14スポットを巡るアップダウンの少ないコースでした。

■1つだけ挙げるなら、最適なモデルコースはどれ?気になる投票結果は…

このなかで1つだけパンフレットに載せるなら、どのモデルコースがいいのか?投票の結果は「バスで登って下り坂を歩こうコース」が人気。参加者からは「欲ばりコースにひかれるけど、人に勧めるならバスでまず町内の雰囲気を見てもらってから、と思います」「個人的には準欲ばりコースを巡りたいですが、バスを利用するほうが気軽に巡れるかな」などのコメントが寄せられました。自分で行きたいコースと、人にお勧めしたいコースはたしかに違いますよね。

この後、地図だけではなく各スポットの写真をまじえた詳しいコース解説が加えられました。写真を見ながらルートを確認することで、よりイメージが固まります。スポットをおさらいしたうえで、再度「パンフレットに載せるならどのコースがいいか」投票が行われました。結果はやはり「バスで登って下り坂を歩こうコース」が一番人気に。ここで「スポット投票で人気が高かった明神山はルートに入れるべき?」という課題が挙げられました。即席で設定された投票では「明神山も入れたい」がやや優勢。「バス停を降りた後、まず明神山に登る」という手もありますが、アップダウンが増えることで気軽な印象が薄くなるかも…。ここで参加者から「モデルコースは現状のままにし、オプションとして提案してみては?」というコメントが寄せられました。

紹介スポットとモデルコースが決定し、これからはパンフレットの制作期間に入ります。来年3月には、パンフレット片手にワンデイウォークが開催される予定です。こちらはワークショップ参加者だけではなく、一般参加も可。ふだんは非公開の文化財を、岡島さんが徹底ガイドしてくれます!パンフレットの完成が今から楽しみです。


2022/3/5(土) の王寺ウォークの参加者募集開始しました!

最終更新日:2022/02/04

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