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川西町をみんなで楽しむDAYイベントレポート-その1- 森のねんどワークショップ・ほろ酔いトークセッション

川西町未来まちづくり促進プロジェクトとして開催した「川西町をみんなで楽しむDAY」 。2022年11月5日、6日は、川西町のコミュニティスペース「ハッピー」にて、川西町の魅力や理想を思い描きながらジオラマをつくる「森のねんどのまちづくりワークショップ」と、ゲストスピーカーをお招きしてのトークセッションを開催しました。

森のねんどで理想のまちづくり

森のねんど研究所主宰 道康さん

講師は、森のねんど研究所の道康さん。事前に用意していただいた町の土台には、シンボルでもある島の山古墳や4つの川などを配しています。参加者がそれぞれ自分の担当地域を選び、思い思いの町をつくります。

開催日の2日間は、川西町の文化祭と重なりましたが、多忙な中、小澤町長も駆けつけてくださり、一緒になってまちづくりを体験してくださいました。町長がとっても近い存在、「いい町 ちかい町 川西町」その名の通りです。

川西町長の小澤晃広さん

会場のコミュニティースペース「ハッピー」は唐院エリアにあります。かつて町の中心地として栄えていたエリアで、芝居小屋などもあったということです。どんなことをしているのかと覗きに来られたご近所のおばあちゃんに詳しく聞こうとしたら、「そんな昔のことはいいから、若い人たちがこれからの町のことを考えていったらいいんやで」と。これからの未来は若者が担っていくんだよと応援してくださっているようでした。

参加者は、チラシやsnsなどを通じて申し込みをしてくれたファミリー、友達同士、ご夫妻、そして飛び入りでもいいかな?と参加してくださった方もおられます。特に2日目は、参加者全員が川西町民で、地元をよく知る方も多かったです。

1日目の様子
2日目の様子

まずは地図で川西町全体を把握し、自分が担当する区画に自由に町をつくります。
「かっこいい建物をつくりたい」
「公園をつくりたい」
「古い風景も大切にしたい」
「近代的なビルを作ってみました」
近くにあると便利だなという思いからホームセンターを作っておられる女性も。
何でも揃うホームセンター、確かにご近所にあると便利ですね。

子どもから大人まで幅広い世代がひとつの目標に向けて、それぞれの個性を詰め込んだ小さな地域。理想を思い描き夢中になってつくった各パースがはめ込まれ、川西町の世界が仕上がりました。

ジオラマは、道康さんが最後の仕上げを施し、現在コミュニティースペース「ハッピー」に展示されています。オープン日にぜひご覧いただければと思います。

展示中の森のねんどジオラマ・川西町の世界

夜はほろ酔い気分でトークセッション

夕方から夜にかけては、ゲストスピーカーのお話を聞きながら、ほろ酔い気分で「まちづくり」をテーマとするトークセッションを開催しました。

5日のゲストスピーカーは、合同会社ユブネ共同代表、Next Commons Lab奥大和コーディネーターの東善仁さん。奈良出身、神戸在住。以前は大阪の団地でコミュニティルーム「茶山台としょかん」を住み込みで運営していたことも。NCL奥大和では移住と起業支援に関わり、さまざまな地域の課題解決に向けて社会実験に取り組む活動を手掛けておられます。

・地域に起業する人を増やすためには、活動しているのが自分一人(点)ではなく、地域全体(面)で動いているおもしろい町であることを伝えていくこと。
・地域づくりには、金融機関、地元の企業、行政、地域の人、さらに産官学のプラットホームがあるといいこと。
・商売の話ができる人をチームに加えること。
・人に来てもらうためには、来てもらう理由を3つ用意しておくこと。
などなど、地域づくりにおける課題解決のヒントを教えていただきました。

6日のゲストスピーカーは事業プロデューサーの山本あつしさん。

主に、公共事業に関わる企画・制作と、地域への愛着や誇りを生み出す共有空間づくりの研究・実践に取り組まれています。

・小学校の図書館の本棚を、地域の森林組合から提供された木を使って、全校生徒がDIYでつくるイベント。思い出と故郷への愛着を生み出す試み。
・地域に住む人たちが「なりたい自分」を語り合うことから、まちのビジョンを考えるワークショップ。総合計画策定を、市民がまちづくりを自分ごととして自覚できるきっかけに。
・利用者の減少が進む地域の美術館の収蔵作品を、まちじゅうの壁にグラフィティアートとして生まれ変わらせ、まち全体を美術館にするプロジェクト。ずっと住み続けたくなる、歩いて楽しいまちづくり。
・人生100年時代に大切なのは、①健康で、②お金がかからず、③日常を楽しめる暮らし。その3つを満たすのは「歩く」という遊びである。
などなど、「歩いて楽しいまち」をテーマとしたお話からさまざまなアイデアをいただきました。

そして、まちづくりに大切なこととして頷けるお話も。

ー「まちおこし」というと、「何かをしなきゃ」と動こうとするけれど、「なぜそれをするのか」が分かっていない場合が多く、その結果意見がバラバラになることがあります。「なぜ」の部分を言語化し共通認識することで、自然と同じ方向を向いていきます。

参加者のほろ酔い加減もいいあんばいに、「もっと若者に関わってもらいたい」「一部の人だけではなくもっといろんな方にも地域に興味をもってもらいたい」との思いがひしひしと伝わってきました。これは、川西町に限らず、どの地域にもおいて言える課題なのかもしれません。

時代はどんどん変化していく今、新しいものを取り入れるとうまくいくかというとそうでもなく、まずそこにあるものが何かを知ること、地域の資源があればそれをどう生かしていくのか、それをさらにどう活用していくのか、この町に似合うものなのかどうかを考えながら取り組んでいく必要があるのだと思っています。

お二人のお話から得たヒントを参考に、これからの川西町がどんな風に歩んでいくのか、どんな地域でありたいのか想像を膨らます機会となりました。

そしてもう一つ感じたことがあります。

ほろ酔いトークセッションには、いつも川西町で活躍されているみなさんだけでなく、奈良市から移住してきた方、結婚で引っ越してきたばかりの方、大阪から移住して川西町のことはまだあまり知らないというカップルも寄ってくださいました。まだまだ川西町のことを知らない方にこそ、ゆるく寄り合っていただき情報交換をしていける場所と機会をつくることも大切だなと感じました。「ほろ酔いトークセッション」企画、また開催したいと思います。

後援/一般財団法人地域活性センター、川西町、コミュニティスペース「ハッピー」
主催/一般社団法人com

島の山古墳側からの風景。あかりがついている建物がハッピーです。

文/徳永祐巳子、撮影/北尾篤司

最終更新日:2022/12/19

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