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【連載】子どもと遊ぶ奈良『Vol.2 ベビーカーで登山してみた!0歳からの明神山」

  • 紹介している施設の情報は掲載日時点のものです。
  • お子様とお出かけされる場合は、お子様の体調や体力など十分考慮され、親子ともに無理のないようにご注意ください。

子連れで山登りがしたい!

皆さんこんにちは、奈良で0歳児を子育て中の春田です。
最近は気候も良く、子連れお出かけも楽しい季節ですね。

突然ですが、私の趣味は以前は山登り、でした。
過去形なのは、妊娠後はほとんど登れてないからです!
以前は金剛山や葛城山などの金剛山地を中心に、生駒山、大峰山地(山上ヶ岳以外)、白山や富士山にも登頂したことがあります。
学生時代は体育会系ではなかったのですが、社会人になってから登山の魅力に目覚めました。自分の体力に合わせた行動計画を立てて登頂し、自分の足で下山するというプロセスにはまっていました。
自然を楽しみながらのんびり歩き、山頂で美味しいごはんを食べて、下山後温泉などでゆっくりするのも楽しいですよね!

しかし一児の母となった今、なかなか子どもを置いて長時間かかる登山に行くのは難しいことです。
ましてや子連れで登山するには大変なハードルがあります。

【子連れ登山の主な課題】

  • 登山道を抱っこやおんぶで上がるのは大変(うちの子は現在8.5kg。それに加えて通常荷物と子どもに必要な荷物も背負う必要あり)
  • そもそも登山口までアクセスしにくいことが多い
  • 山の中では、子どもの急な体調変化に対応しにくい
  • 授乳やおむつ替えができる場所がなさそう

我が子には、将来的には一緒に登山を楽しめる子に育ってほしいと思いつつ、早くても山デビューは年長さんとか小学校低学年くらいからかなぁと思っていたのでした。

そんな私に、先日友人から耳寄りな情報が届きます。
「明神山に、何年か前赤ちゃん連れでベビーカー押して登ったことがあるよ!」

えっ、明神山ってベビーカーで登れるの!?

明神山とは、奈良県北葛城郡王寺町に位置する山。
標高273.6mとそれほど高くはないのですが、山頂からの眺望が非常に有名で、天気が良ければ大阪方面や明石海峡大橋、反対側の紀伊半島や大峰山地なども見渡せる絶景スポット。

王寺町観光協会さんのWEBサイトに詳しく紹介されていますのでぜひご覧ください!
登山ルートやアクセス方法なども分かります。

明神山(王寺町観光協会WEBサイト)
https://home.oji-kanko.kokosil.net/ja/myojinyama

実は機会がなく今まで登ったことがなかったのですが、調べてみると、どうやら登山道が全て舗装されているようです。
ベビーカーで上がれるなら、赤ちゃん+荷物と一緒でもなんとかなるかも。
しかも、山頂付近にあるトイレにはおむつ台もあるとか。
これは確認してみなければ!と我が子と一緒に行ってみることにしました。

登山口までのアクセス

明神山登山口付近には、王寺町営の駐車場があり、なんと無料で使えます!
車の方はこちらをご利用されるといいでしょう。

一方私は公共交通機関ユーザー。
電車の場合、明神山登山口の最寄駅はJR畠田駅。
しかし今回は、ひとつ隣のJR王寺駅(近鉄王寺駅、新王寺駅も隣接)から向かいました。
なぜなら、電車から降りた後バスに乗り換えるのですが、畠田駅付近から乗るバス路線は王寺駅のバス停からも乗車できるためです。
畠田駅の方が近いという方は、畠田駅をご利用ください。

ベビーカーで奈良交通バスに乗る方法

今回、ベビーカーで奈良交通バスに乗りました。
しかし、ベビーカーってそもそもバスに乗っていいの?
畳んだりしないといけないのかな?
など疑問があり、公式の乗り方について奈良交通株式会社さんに確認してみました。

以下、こちらが送った質問とそれに対する回答です。

  1. 貴社バスにベビーカーで乗車することは可能でしょうか?
    →可能です。
  2. ベビーカーでバスに乗車する際のルールはお有りでしょうか?
    →ルールは設けていませんが、以下の場合は、折り畳んでいただく場合がございます。
    ・車内が満員でベビーカーを適切に固定すること(※)が困難と運転者が判断した場合
    ・既にベビーカーや車いすの利用者が複数あった場合において、適切にベビーカーを固定するスペースが確保できない場合
    ・バスの装備や歩道と道路の構造上からベビーカーの乗降が困難な場合

    ※適切な固定方法について
    奈良交通さんでは「ベビーカーの車輪を全てロックし、大人ができる限り支える」ことが推奨されているそうです。
  3. 混雑している場合、先に数台ベビーカーや車椅子などが乗車している場合は?
    →バス車内の状況により、どうしてもスペース的に困難な場合は、次のバスへのご乗車をお願いする場合がございます。
  4. 乗車、下車する際の注意点は?
    →お客様ご自身でご乗車いただけない場合は、運転者へお声掛けいただきますと補助をさせていただきます。
  5. どの停留所からも乗車できますか?
    →どの停留所からでもご乗車いただけますが、歩道の形状によりスロープが利用できない停留所ではベビーカーを折り畳んで乗降いただく場合がございます。
  6. ノンステップバスの導入割合は?また、ノンステップバスの導入が特に多い、少ないエリアはありますか?
    →ノンステップバスの導入割合は9割です。
    また山間地区は、道路の形状等により若干ではございますがノンステップバスの割合が少なくなります。
  7. 別途料金や事前予約は必要ですか?
    →別途料金や事前予約は必要ございません。

ということです。
電車と同じように、畳まずに乗車していいんですね!
ただし、赤ちゃんが抱っこを求めている時は抱っこ&ベビーカーを畳んで乗車するのが現実的かも。
臨機応変に、赤ちゃんの安全第一で乗車したいですね。

奈良交通株式会社さん、ご回答ありがとうございました!

実際にバスに乗ってみた

今回の明神山登山口の最寄りバス停は「明神四丁目」。奈良交通バスで、王寺駅から約10分ほどの距離です。

南口の3番乗り場より乗車。
分かりやすく「明神山登山口へはこちら」という案内があります。

今回のバスは王寺駅が始発ということもあり、発車時間まで時間があったため、焦らずに乗車できました。
しかも、親切にも職員の方が乗車を手伝ってくださいました。バスも空いていたので、車椅子の固定エリアを使わせていただきました。
該当箇所の椅子を折り畳み、ベビーカーを椅子と椅子の間に入れて、全車輪をロックしています。
車椅子のようにベルトで固定できるわけではないですが、急ブレーキがかかった時にもちょっと安心ですね。

今回は10分ほどの距離ですので、子連れでのバス乗車が不安、という方はタクシーを使われてもいいかもしれません。

いざ登山開始!

「明神四丁目」のバス停を降りて、登山口までは南に向かって約5分。
バス停に案内図が掲示されており、とても分かりやすいです。

途中にスーパーもあるので、飲み物や食べ物を用意し忘れた!という場合にも便利そうですね。
少し歩くと、大きな鳥居が見えてきました。
ここが登山口の目印のようです。

鳥居をくぐるとしばらくは閑静な住宅街です。
大きな声でのお喋りには注意しましょう。

この住宅街エリアの道がなかなかの急勾配なので、ベビーカーを頑張って押します。

しばらく進むと「明神山ハイキングコース入口」の文字が。

この入口を越えたエリアもきつい勾配となっています。足を踏ん張ってベビーカーを押し上げます。

更に進むと車止めがあります。

自転車やバイクなどの軽車両は進入できません。

しかし、この入り口は細くてベビーカーはそのままでは入れませんので、一度子どもを抱き上げて、ベビーカーを畳んで進入し、また開いて子どもを乗せるという工程が必要です。
※車止めの柵は大人の腰くらいの高さがあるので、子どもを乗車させたまま持ち上げるのは危険かと思います。

この車止めから少し登ると、坂道が終わりほとんどなだらかなエリアに入りました。
しばらくこの平坦な道が続きます。

分岐もあまりなく、あっても非常に分かりやすい(山頂までの道は塗装されています)ので、安心して登れますね。
木々が程よい日陰を作ってくれて、木漏れ日を浴びながら楽しく進みます。
この時期はツツジがたくさん咲いていて、新緑とのコントラストがとても綺麗でした。
我が子も最初はベビーカーの中から花を見て反応していたのですが、ほど良い揺れが気持ちよかったのか次第に眠ってしまいました。

どんどん登って、山頂が近づいてきます。
「山頂まで400m」の辺りからまた勾配がきつくなります。

その少し先に眺望スポットがあり、ベンチもあって最後の休憩スポットとなっています。
ベンチを越えるとまたなだらかなエリアに。あと200m、もう山頂広場はすぐそこです。

赤い鳥居が見えてきました。
その手前に、公衆トイレがあります。

なんと、多機能トイレがあります!
キッズチェアもあり、子連れにはありがたいですね。
また、多機能トイレと女子トイレにおむつ台もあり、しっかり赤ちゃんのおむつ替えができるようです。
私たちも使わせていただきました。

このトイレを過ぎれば、すぐに山頂広場です。

頭上に広がる青い空!
ついに登頂しました!!
登山の目安に、最初の鳥居から40分とありますが、ベビーカーを押してちょこちょこ写真を撮りつつゆっくり登って、鳥居から50分くらいでした。

山頂での過ごし方

まず、山頂の赤い鳥居の先にある「水神社」へ行ってみます。
この水神社が古くより「明神さん」として信仰を集めており、この明神山の名前の由来となっているそうです。

今回無事に登頂できたことに感謝し、また下山の安全を祈願します。
なお、ここは葛城修験の第二十八番経塚があるという説もあり、修験者の方も訪れるそうです。

山頂の広場には展望デッキが3ヶ所あり、それぞれ眺望を楽しむことができます。
展望デッキは階段がありベビーカーでは上がれないため、ベビーカーを階段下の邪魔にならなさそうな場所に置き、我が子をスリングに入れ替えて上がりました。

金剛山や葛城山方面。山々が正面に連なっているので道のようです!
そしてはるか遠くには大峰山地が。

釈迦ヶ岳に八経ヶ岳、弥山に稲村ヶ岳……以前登ったことのある山々に想いを馳せます。
我が子が大人になったら一緒に行ってくれるかな?
私も体力をつけておかないといけませんね!

大阪側の眺望も見事でした!
この日はあべのハルカスもばっちり見えました。

大阪側が見える展望デッキの横には何やら鐘とモニュメントが。
「恋人の聖地」と書かれています。
なんでも、ここはプロポーズにふさわしいロマンティックな場所として「恋人の聖地」として選定されているらしく、鐘を鳴らすと願いが叶うのだとか!
カップルで楽しく登るのもいいですね。
恋人ではないですが、私たちも仲良く記念撮影。

また、景色を楽しみながら休憩できるベンチやテーブルもあり、こちらでお昼ごはんにしました。

我が子にも離乳食を食べさせます。
初めての山での食事はどうかな?
慣れない場所は緊張することもあるのですが、ぱくぱく食べてくれました。清々しい空気のお陰でしょうか。

食べた後は綺麗に掃除して、ゴミは必ず持ち帰りましょう。

ちなみに授乳室はありませんので、授乳したい方はデッキの影などで、授乳ケープなどをご利用されるのがいいでしょう。

下山と注意点

しばらく山頂で過ごして下山します。
来た道を戻るだけですが、登りで傾斜がきつかった場所は特に要注意!
急な坂道は、登りは体力で押し上げることができますが、降りはうっかりするとスピードが出過ぎてしまいとても危険です。
大きくは二箇所、「山頂まで400m」の付近と、車止め付近です。このポイントは特に集中して下山してください。
できる限り小さな歩幅で足を踏ん張って、絶対にベビーカーを離さないように進みましょう。
この時、踏ん張る力を要しますので、グリップ力のある靴を着用することをおすすめします。
また、大人二人以上で登るなら、スピードが出過ぎないように、ベビーカーを挟むように縦並びで降りると安心だと思います。

そうこうしている間にあっという間に登山口まで下山。ゆっくり慎重に降りても、下山は30分くらいでした。

登りと下り合わせて大体1時間20分くらい。
山頂で40分くらい過ごすとしたら、合計2時間くらいの山登りです。
もしも山登り中に急なトラブルが起きて急いで下山するなら、最大で30分くらいですね。

帰りも来た道を帰り、奈良交通バスで王寺駅まで戻りました

ベビーカーで明神山を登った感想

お天気が良かったためか、とっても楽しかったです!
ベビーカーを押しての登山ということで、一人で登るよりも体力や神経を使いますが、自然を楽しみながらリフレッシュができました。
産後あまり運動出来ていなかったので、ちょうど良い運動負荷という感じです。
ただし、産前からほとんど運動経験のない方にはちょっとハードに感じられる可能性もあります。

ベビーカーを押すのに腕力を使ったり、下山時に脚力を要したりしますので、大人二人以上で荷物を分担できるなら、抱っこ紐やおんぶ紐の方が楽だと感じる方もいるかもしれません。

また、明神山山頂からの眺めは本当に素晴らしく、あっちは奈良方面だね〜とか、大阪が見えるね〜とか、ある程度の年齢のお子さんなら、地理感覚を養う良い機会になりそうです。

なだらかな箇所も多いので、ある程度歩ける年齢になったら子どもでも充分登れそう。
おじいちゃんやおばあちゃんも誘ったりして、家族団らんのハイキングにもいいかもしれませんね。

まさに、奈良っ子の登山デビューにぴったりの山だと思いました。

まとめ

  • 明神山はベビーカーで登山できる
    (ただし、ご自身の体力とお子様の体調、当日の天候を充分ご考慮ください)
  • 動きやすい服装、グリップ力のある靴が必須!
  • 登山口近くに無料の駐車場有り、バスでもアクセスしやすい
  • 山頂付近のトイレにはおむつ台有り
  • 授乳室はないので授乳ケープなどで
  • 大人二人で荷物と子どもを分担すれば、抱っこ紐、おんぶ紐でもいけるかも

最終更新日:2023/05/08

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