奈良、旅もくらしも

始動!「平城のとよほきvol.1」レポート

奈良時代の都の中心部、平城宮跡で「奈良時代を祝う」をコンセプトにしたイベントがスタートしました。奈良時代を楽しむためのさまざまな試みが行われる予定だそう。2021年10月9日・10日に行われた初回イベントの模様をレポートします!

当日はスカッと快晴!季節はずれの暑さではありましたが、心地よい風が吹き抜けるさわやかなイベント日和です。

会場は朱雀門東側にある平城宮いざない館。奈良時代の出土品や資料も豊富に展示されている体験施設です。

■奈良時代にタイムスリップ!?天平の女楽と女舞~平城宮内教坊~

イベント初日の10月9日は、前庭で「天平の女楽と女舞~平城宮内教坊~」が行われました。奈良時代に存在していた女性楽舞の部署である「内教坊」に扮した女人舞楽原笙会の皆さんと、関西の雅楽会で活躍する女性たちによる華麗な舞と音楽が繰り広げられます。

雅楽の音にのって、女性たちがしずしずと登場。美しい衣装に目を奪われます。

白化粧に唐風のメイクも美しい。朱雀門をバックに管絃が演奏されると、一体ここは何時代?と不思議な感覚に。

最初の演目は管絃『五常楽急』。琵琶に笙、笛の音が奈良時代の風を運んでくるようです。

司会は原笙会の中田文花さん。メイクや衣装のこと、曲のことなど詳しく解説してくれました。2番目の演目『柳花苑』について、「楽は残っているのですが、舞は絶えてしまっています。今回の舞は、『信西古楽図』に残っている絵をもとに作舞したものです」とオリジナルイラストを交えて解説。奈良初心者にもやさしい!

『柳花苑』を演じたのはなんと現役高校生コンビ。優美な舞にしばし時間を忘れます。

琵琶独奏『王昭君』は凛とした音色に思わず背筋が伸びます。琵琶の撥皮には、仏様の絵が版画で描かれています。

最後に、天平15年に阿部内親王によって舞われたという『五節舞』が演じられ、夢のようなひとときが幕を閉じました。

■奈良時代をイメージした雑貨が並ぶ「祥瑞マルシェ」&キッチンカー

いざない館内では、飛鳥・奈良時代や奈良にまつわる雑貨が販売される「祥瑞マルシェ」が盛況でした。古代ファンはもちろん、休日をのんびり楽しむ家族連れも足をとめてじっくりお買い物。感染対策を万全にしつつ、ようやく対面販売が可能な世の中になってきたのは喜ばしいことですね。

奈良時代をイメージしたイラストや手ぬぐい、正倉院模様の革小物、さらには陶器やアクセサリーまで、さまざまな作家さんが集結。古代への愛と作り手の技術の粋が詰まった雑貨たちがズラリと並びます。

ふだん使いしても違和感がないオシャレなデザインが多く、財布のヒモが順調にゆるみました…。

万葉レターセットと正倉院宝物の「花喰い鳥」をあしらった白蝶貝のペンダントを購入!奈良時代の文様のかわいさに改めて気づかされました。

いざない館前には、2日間にわたって奈良の人気店によるキッチンカーが出店。テーブルが出され、ランチやお茶が楽しめました。

明日香村の「PocaFrere(ポカフレール)」で、あすかルビーのソーダとスパゲッティを注文。朱雀門を眺めながらのランチ、最高です!

館内で同時に行われていた常設展や企画展も見ごたえがあり、奈良時代を身近に感じられる工夫がたくさん。かつて日本の中心地として歴史が紡がれた場所で、実際に遺跡に触れて学べるのは奈良の素晴らしいところですね。昔と今を繋ぐこのイベントは、今後も定期的に行われるようです。次回以降も楽しみにしています!

(取材・文=油井やすこ)

最終更新日:2021/12/13

TOPへ