奈良、旅もくらしも

【連載】奈良で外遊びしてみました「『奈良マラソン2021』完走レポート」naka

第5回 大好きな奈良の街を走ろう!
難易度 ★★★(上級)

文/naka

コロナ対策を徹底し、2年ぶりの開催

2021年12月12日(日)「奈良マラソン2021」が(無事に)開催されました。

昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となっていたため、開催は2年ぶりのこと。とはいえ、3kmジョギング・10kmの部門は取りやめ、種目はフルマラソンのみに。参加者も12,000人から8,000人に縮小するなど、完全に元の形に戻れたわけではありません。

ランナーはもちろん、ボランティアやスタッフの皆さんの安心・安全を最優先に、徹底したコロナ対策を講じた上での開催となりました。

私自身はというと、ジョグ歴はすでに10年以上にもなり、奈良マラソンにも何度も参加経験があります。2年ぶりの開催となった今回もとても楽しみにしていたのですが、大会の40日前にギックリ腰をやってしまい、ほぼ1ヶ月近くも練習できないなど、とてもベストとは言い難い状態で当日を迎えました。

それにもかかわらず、「今回はちょっと速めのペースで入って、ベストを狙ってみようかな?」などという無謀な下心を出してしまったこともあって、結果的にレース後半に大失速。腰から脚までがガチガチに張ってしまって、何度も歩いてしまうなど、ひどい内容となってしまいました……。

思い出すだけでも凹んでしまうような、きつくて残念なレースでしたが、それでも大好きな奈良の街を走らせてもらえたことに、感謝しかありません。スタッフの皆さん、ボランティアの皆さんには、参加ランナーの端くれとして厚く御礼を申し上げます!

ここでは、例年とはちょっと違った“コロナ禍に打ち勝つモード”となった「奈良マラソン2021」の模様を、ランナー目線でご紹介します。

申込み時期など、例年から大きな変更点も

▲コロナ禍で、昨年に引き続き開催が危ぶまれた奈良マラソン。参加者の受付も8月中旬までずれ込みました。正直なところ、申し込んだ時点では「中止になると思うけど、まぁ一応は」という感じでした。

▲レース1ヶ月前の11月上旬、実行委員会からゼッケンなどが自宅に届きました。マラソン前日に会場を訪れてゼッケンを受け取る(=2日連続で会場へ行く)必要がなかったため、この方式は地元民にとってはとても楽でした。

しかし、遠方から前泊してご参加の方は事情が違います。会場にはランナー向けのイベントやショップ・屋台などが出店し、遠征ランナーの大きな楽しみにもなっています。開催地の賑わいにもつながりますので、来年にはまた以前の形に戻るといいなと思います。

「奈良マラソン2021」では、厳格なまでにコロナウィルス感染症対策がとられました。全ランナーに「チェックシート」の提出が義務付けられ、当日の体調チェックはもちろん、レース前の2週間分の体温などを記述して提出します(※スマホアプリ「テレサ」で記録・提出が可能でした)。

奈良マラソンはハードモードの難コース!

レース当日、会場付近の様子。すごい混雑に見えますが、例年よりも遥かに人は少ないです。会場内へ入場できるのは参加者のみで、10kmの開催を中止したことなどにより、例年の半分以下に抑えられた印象でした。

参加ランナーたちは、体温サーモチェックを行ってから会場入りし、その先で2週間分の体調を記録したチェックシートを提出します。QRコードを読み込んで内容に問題がない者のみが通過できるシステムで、渋滞もなくスムーズでした。

手荷物預かり所の様子。こちらも例年であれば2階の客席部分が着替えスペースとして開放されるのですが、今年は密を避けるため。フィニッシュ後のみの利用と変更されました。

会場には、こんな記念撮影スポットも。せんとくんの人形や、奈良マラソン名物の(忌野清志郎さんならぬ)今ノ葉狂志郎さん、松井絵里奈さんのパネルなど。

レース直前。ランナーたちは前後左右を1.5m間隔を取って並びます。スタート直後に密集化しないよう、しばらくはこの間隔をキープしながら走ります。

いよいよレースがスタートしました! 参加人数を絞ったこと、また公式タイムがネットタイム(号砲からではなく、スタートライン通過からフィニッシュライン通過までのタイム)に変更されたことなどもあり、スタート直後から窮屈な感じもありません。
(※レース中の写真は、すべてコース脇の安全な場所から撮影しています)

メイン会場のロートフィールド奈良をスタートし、コースは西へ。普段はたくさんの車が行き交う大宮通りが、ランナーで埋め尽くされます。自分の脚で走ってみるとよく分かるのですが、奈良の街は細かなアップダウンの連続です。マラソンコースとしてはかなり難しい部類となります。

平城宮跡歴史公園の前、5kmの折返し地点の直前には最初の給水ポイントが。たくさんのスタッフの方々が、感染症対策に気を配りながら、ランナーたちをサポートしてくださいました。本当にありがとうございます!
なお、今年は沿道での声を出しての応援、私設エイド、ハイタッチなども禁止とされ、レース中も例年とはかなり違った雰囲気でした。

近鉄奈良駅前を若草山を目指して進みます。車専用の道路を、こうして自分の脚で走ることが楽しくて仕方ありません。まだ体力的にも余裕があり、「奈良の空は広くていいな!」と毎回感動してしまいます。

コースは、奈良市から天理市へ。国道169号線(天理街道)を南進し、15km地点を過ぎたあたりからアップダウンが連続するエリアへ入ります。
奈良マラソンは、よく「レース後半の25~30kmに厳しい坂が連続するのがつらい」と言われますが、それ以外の部分も坂だらけで、平坦部分はほとんどありません。ランナーたちの体力がガシガシと削られていきます。

25kmの折り返し地点を過ぎて、天理教教会本部へ。例年であればここで「ぜんざい」のおもてなしがあるのですが、コロナ禍のためそれも中止に。すでに疲労困憊だったので、「ぜんざいが食べられないなんて!」とさらに心が折れてしまいました(笑)

30km手前に待ち受ける急坂で大ダメージをおったところに、奈良の銘菓「ころもち」のふるまいが。エネルギーを補給して奮起するしかありません!

さらに、約33km地点のエイドでは、奈良名物の「柿の葉寿司」もふるまわれました。爽やかな酸味が、疲れた心と体への栄養補給になりました!

奈良公園へ戻ってきたころには、どのランナーも疲労困憊です。残りわずかとわかっていても、思うように脚が進みません。

ヘトヘトになりながらなんとかゴール地点へ!
かろうじて完走できましたが、今回は練習不足とレースプランの失敗が重なり、本当に不甲斐ない内容でした。このリベンジは来年に果たします!

会場の奈良マラソン実行委員会のブースでは、さまざまなオリジナルグッズの販売も。今年は恒例のフィニッシュバスタオルの配布はありませんでしたが、ネットで予約を受け付けていました。コレクションしている方はお忘れなく!

奈良マラソン2021の完走メダルです。聖徳太子1400年御遠忌の年ということもあって、そのお姿と「以和為尊(わをもってとうとしとなす)」の文字が刻まれています。いい記念になりました。

マラソンは大人が夢中になれる遊びです

私の「奈良マラソン2021」は、完全な失敗レースに終わってしまいましたが、ものその2日後くらいには「次回までにこんな練習をしておこう」などと、来年の参加を楽しみにしています。そのくらい楽しい遊びなのです。

マラソン未経験の方も、いきなりフルマラソンは難しいとは思いますが、まずは5km・10kmのレースからエントリーしてみてほしいですね。

未経験者の方は、ジョギングというと「息があがって苦しい」という印象をお持ちの方も少なくないでしょう。それは言い換えれば、「息があがって苦しいのがジョギングだ」「ぜぇぜぇしないと走ったうちに入らない」という思い込みだったりします。

しかし、ジョギングとは本来的には“息が軽くはずむ”程度の強度で行うものです。ぜぇぜぇと肩で息をするまで追い込むのは、好タイムを狙う競技者のやることですから、初心者さんはこれを避けなくてはいけません。

苦しくなる最大の原因は “スピードが出過ぎること” です。

初心者の方は「歩く→早足→走る」というイメージでスピードアップしてしまいがちですが、早足よりも速く走るなんて苦しくなって当然なのです。

重要なのは“ゆっくり走る”ことですから、まずは「歩く速さそのままで走る」というイメージで行ってみてください。苦しくて走っていられない状態は、もう速度オーバーです。歩くのと変わらないくらいの速さで、それも苦しくなったらウォーキングに切り替えましょう。

まずは30分が目標です。次第に歩く時間が減ってきて、30分ずっと走り続けられる日が来ます。走り終わった時点で「息は軽くはずむ程度で、脚に疲労が感じられる」が理想形ですね。

ジョギングは健康にいいですし、マラソンは大人も夢中になれる楽しい遊びです。ぜひチャレンジしてみてください!

レースが終わった日の夜、「餃子の王将」さんでささやかなお疲れさま会など行いました。疲れきった体にビールが染み渡ります。!この1杯のために頑張ったといっても過言ではありません!

▲<余談>私は遭遇しませんでしたが、レース中にはコースに鹿の大群が押し寄せた動画が話題になっていました。これぞ奈良マラソン!

【関連URL】
奈良マラソン2021

執筆者紹介

連載「奈良で外遊びしてみました」
文/naka

最終更新日:2022/01/26

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