奈良、旅もくらしも

【連載】奈良で外遊びしてみました『飛鳥ハーフマラソン2022』完走レポート naka

第6回 史跡や激坂が連続するGOODコース!
難易度 ★★★(上級)

文/naka

コロナ対策を徹底し、記念すべき初開催

記念すべき第1回の大会となる『飛鳥ハーフマラソン2022』が開催されました。去年は新型コロナの影響でオンライン開催になったため、現地のコースを使ってのマラソンは今回が初でした。

コロナ禍の最中ということもあり、開催の可否については参加ランナー側も直前まで不安でしたが、無事にスタートすることができました。関係者の皆さん、本当にありがとうございました!

「飛鳥ハーフマラソン」は、キトラ古墳前をスタート&フィニッシュとし、石舞台古墳や高松塚古墳、棚田が美しい稲渕地区など、明日香村内の古墳や史跡を巡る21.0975kmがコースとなっています。

また、パンフレットなどに「 #激坂 」というハッシュタグが記載されていたように、コース全般で起伏が激しく、アップダウンが連続する難コースでもあります。苦しくも楽しかったレースの模様を、参加ランナー目線からレポートします。

メイン会場となる「国営飛鳥歴史公園 キトラ古墳周辺地区」まで、近鉄飛鳥駅から徒歩で25分ほど。朝からたくさんのランナーたちが集まりました。 なお、橿原神宮前駅からのシャトルバス(無料・事前申込制)、新大阪や京都からのツアーバス(有料)も運行していました。

コロナ禍の開催のため、ランナーには「健康・行動管理チェックシート」の提出が義務付けられるなど、厳重な感染症対策がとられました。また、ランナーのゼッケンのデザインは、令和2年5月から導入された「飛鳥ナンバー」をモチーフにしています。かっこいいです!

メイン会場への入場前には、書類の提出、アルコール消毒、検温などが行われました。

こちらは手荷物預かりのテントエリアです。約3,000人のランナーが参加する大会ですが、広々とした屋外の会場のため、密になる印象はありませんでした。

会場ではトイレ待ちの長い行列も。驚くほどの長さでしたが、この先にトイレを集中して設置し、スタッフの方が的確に誘導していたため、待ち時間は比較的短かったそうです。

会場では、カップやソフトフラスク(給水ボトル)、Tシャツやマスクなど、大会オリジナルグッズも販売されていました。四神・朱雀をモチーフにした赤いキャップも製作され、たくさんのランナーがこれを身につけて走っていました。

レース開始前に、スタート地点で記念撮影など。
この冬は寒い日が多かったのですが、レース開催日が近づくにつれてぐんぐん気温が上がり、当日は20℃前後と汗ばむほどの暖かさでした。ウェア選びに迷ったのですが、結果的に半袖短パンで十分でした。来年に向けての反省点です。

レース直前の様子です。予想タイムごとに5つのブロックにわかれて待機します。スタートするまで全員が不織布マスクの着用を義務付けられており、静かにスタートを待ちます。

見どころとアップダウンの多い“名&難コース”

号砲がなり、レースがスタートしました。ランナーは密にならないように気をつけながら進みます。沿道の観客も声を出しての応援は控えられ、拍手などで励ましていただきました。

なお今回は、新型コロナウィルス感染症対策で「マイボトル大会」として運営されました。ランナーは参加賞として授与された給水ボトルなどを各自持参し、ボランティアの方から、もしくは自分で給水します。レース中の補給食も、個包装されたもののみ。コロナ対策には万全を期しています。

2km地点。左手には「天武・持統天皇陵」が見えます。世界遺産への登録を目指す飛鳥・藤原地域での開催だけに、コースには歴史好きにはたまらない有名スポットが続々と登場します。

「川原寺・橘寺」前を通過。正面には岡寺などがある丘が見えますが、レース中盤にはそちらへ上るコースとなります。コース中には何箇所もトイレポイントが設けられていて、どこも空いています。スタート前に間に合わなかった方も(タイムはロスしますが)ご心配なく。

5km地点を過ぎて「甘樫丘」の麓を通過。梅の花が満開でした!

「飛鳥水落遺跡」や「県立万葉文化館」などを過ぎた8km地点。ここまでもアップダウンの連続でしたが、この先にはコース中で最も厳しい激坂が待ち受けています。

左手には「石舞台古墳」が見えます。すでに激坂が始まっていたため、振り返って見る余裕がないランナーも多かったことでしょう。

コースは石舞台古墳を過ぎて、美しい棚田が広がる細川へ。「棚田がある」ということは、地形的に傾斜が急ということです。9km過ぎ~11km過ぎの2kmほどで、約150mの高低差の激坂が続きます。

坂の途中にはみなの気持ちを代弁したようなこんな看板も。脚が止まりかけたランナーも(少しだけ)元気が出たことでしょう!

11km地点を過ぎれば、間もなく折り返し地点です。
この坂は車で何度も通っていますが、自動車ですら苦しそうに上るほどの傾斜です。私自身は撮影のため、激坂の途中でも何度か立ち止まる必要がありいくらか楽をしましたが、それでもしんどかったです。斜度だけで比較すると、奈良マラソンの激坂を上回っているでしょう。

レースも終盤の16km地点。稲渕地区の棚田ののどかな風景に癒やされながら進みます。上ったり下ったり、コース中に平らなところはほとんど無いというような印象すら受けました。

2022年3月に整備を終えたばかりの「牽牛子塚古墳」が見晴らせるビューポイントの紹介も。

約18km地点には、美しい「文武天皇陵」の姿が目に飛び込んできます。この光景自体はドライブやサイクリングでも味わえますが、自分の脚で走りながら見てみると、より感動が大きくなります。飛鳥ハーフマラソンのコースはすべて普段から走ることができますので、ぜひ体験してみてください!

さらに、壁画発見から50周年を迎えた「高松塚古墳」を右手に見ながら進みます。ゴールはもうすぐです!

激坂で脚にダメージを受けながらも、無事にゴールできました。
(※レース中ずっと布マスクを着用していましたが、ゴール直後で鼻の部分が出てしまいました。お見苦しいですがご容赦ください!)

ゴール後、ランナーにはスポーツドリンクなどとともに、明日香村のいちご「あすかルビー」が振る舞われました。疲れた体に染み渡りました!

歴史ロマンあふれるのどかな風景と、それを楽しむ余裕すら奪うような“激坂” が特徴の「飛鳥ハーフマラソン」。アップダウンはきつく、予想以上に暑くて大変でした。タイム自体はまったく褒められたものではありませんが、ずっと楽しくてニコニコしながら完走できたので良し!【関連URL】
飛鳥ハーフマラソン2022

執筆者紹介

連載「奈良で外遊びしてみました」
文/naka

最終更新日:2022/06/06

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